治療へのこだわり 5 「シェードテイキング(色合せ)」
差し歯の色合せ。
難しいです。
勉強すればするほど難しい物の一つです。特に人間の目はいい加減です。
同じ白い歯でもかなりいろいろな色があります。
色相、明度、彩度など、写真や絵が好きな方はわかると思うのですが、歯科の世界では、歯の白色と歯茎の赤色のみで表現するので結構難しいです。
一般的には、VITA社ってところのクラッシックシェードと呼ばれるものが、日本では一番メジャーだと思います。
A3とかB2とか表現するのですが、わずか16段階で表現しています。
日本の保険診療では、コスト的な制限で、もっと狭い領域でしか作製できないことが多いです。
しかし自費診療では、人間の歯の色は、人種によって違いますが、2から40色程度の色を使い、フルオーダーメイドでほぼ無段階に人工的に再現します。
それぐらいしないと写真で拡大しても、どっちが本物かわからないようにするのは困難です。
じつは、私は目が悪いので、自分の目を信用していません。
単に視力が悪いだけでなく、赤色色弱なので、歯科の領域で重要な赤の色の判別が苦手です。
だからこそ、自分の目や感覚だけで判断しないシステムを20年以上前から考え実践し、構築していきました。
具体的には、口の中の写真を活用し、いかに自分の目だけでは伝えられない情報を歯科技工士に伝達するかという方法です。
大学に在籍時代は、アナログフイルムからデジタルの移行期で混在していました。
しかし、現在はすべての写真をデジタルで撮り、歯科技工士にメールもしくはUSBメモリーなどに記録し、見てもらい再現する方法を構築しました。
また自費診療の場合は、そのようなことが理解でき、実際に表現できるレベルの高い歯科技工士と仕事をするようにしています。
そして自分自身を研鑽し、レベルの高い歯科技工士に負けない技術、知識を持てるように努力しています。